日本は、世界でも雨が多い国と言われてます。梅雨という言葉もありますし、夏場は、蒸し暑いですし、冬場も雪が積もったりします。
そのため、日本では、家に入る時には、必ず靴をぬいで上がります。これは、雨が多い国なので、靴を履いたまま、家に上がると床が砂や泥で汚れてしまうという理由からそうなったと言われています。靴をぬいで家に上がるということは、床面が汚れにくいので、イスとかソファという物は必要なくて、畳や床に直に座れたりします。
わかりやすい例えで言えば、車の車内は、普通土足で入りますが、中には土足厳禁の人もいます。土足厳禁というだけで、なんとなくキレイ好きな感じがしますよね?
また、高温多湿という環境はカビや細菌が発生しやすい環境でもあります。カビや細菌にはたくさんの種類がありますが、人体に悪影響を及ぼすものがあり、それによって病気を発症したりしますので、身の回りをキレイにする習慣が根付いたのかもしれません。
※写真は、土足厳禁のオフィスですが、ソファ、テーブルをすべて動かし、床面を洗浄ワックスしました。作業前と作業後で見比べてみるとキレイになったのがわかりますね。
新型コロナウィルスの蔓延で、【消毒】への意識が高まってる昨今、家庭でもオフィスでも衛生的に気になる場所といえば、トイレではないでしょうか?
洋式トイレで例を挙げると、手で直接触れる場所である蓋や水を流すレバーは、特に清潔にしておきたいですね。
そこで、消毒、除菌となるわけですが、使用する薬剤で言えば、次亜塩素酸ナトリウムかアルコール(エタノール)消毒が主流だと思います。
しかしながら、この2つの薬剤は、それぞれ使ってはいけない部位が存在します。
まず、次亜塩素酸ナトリウムですが、トイレの水を流すレバーが金属製の場合、使用すると、腐食やメッキ剥がれの原因になるため、使用できません。
それから、トイレの便座や便座の蓋の樹脂部分は、主にポリプロピレンかABS樹脂のどちらかなのですが、アルコール消毒する場合は、便座や便座の蓋がABS樹脂の場合、使用すると、劣化したり、割れたりする原因になります。
ABS樹脂は、耐衝撃性には強く光沢もあるプラスチックなのですが、耐薬品性には弱く、酸性洗剤やアルコールのような有機溶剤を使用すると劣化を招くので注意が必要です。
※消毒、除菌をする場合は、トイレクリーナーなどで陶器部を洗い、中性洗剤で便座などの汚れを落としてから行います。
建物には、マンション、病院、工場、スーパー、テナントビルから個人の家まで、種類はたくさんありますが、使用している限りは、毎日汚れます。
そこで、毎日清掃することが美観、衛生上の維持の観点から言えばベストではあります。
日常的な清掃とは、ホウキで掃いたり、モップで拭いたり、トイレ清掃をしたりすることで、その建物を使用している人が、自分たちで空きの時間を利用してできたりします。
ただ、日常的に清掃を行っていても、モップ拭きでは落ちない汚れや、エアコン分解洗浄や高所ガラス清掃など、日常的な作業では、対応できない内容も出てきます。
そこで、定期的にそれらの汚れを落とす作業(定期清掃)が必要になります。
定期清掃とは、店舗やオフィス等の美観維持や衛生管理などを目的として、日頃の掃除では落としきれない汚れや時間経過で汚れてしまう場所を専門的に清掃することです。
定期清掃をプロに任せるメリットとしては、専門知識をもったスタッフ・清掃現場の経験豊富なスタッフによる清掃サービスを利用することで、貴重な時間やコストを抑えることができます。
また、清潔な飲食店やスーパーなどの店舗では、お客様が気持ちよく商品やサービスを購入いただけます。結果、印象が良くなり、売り上げにも貢献できますし、清掃の行き届いた会社オフィスでは、来客されるお客様に良い印象を与え、その後の商談などへプラスに働いてくれます。
建物のガラスの汚れは、外面と内面では、汚れの質が違います。
外面‥砂(黄砂など)、虫のフン、車の排気ガス、水垢
内面‥手垢、タバコのヤニ、油汚れ、ホコリ
以上のような様々な汚れが可能性としてあります。厳密に言えば、酸性の汚れとアルカリ性の汚れが混合しているので、浴室清掃と同じで、洗剤もアルカリ性、酸性の両方を使用すれば、綺麗になるといえます。
実際、ガラス清掃の方法として、重曹とクエン酸を使用してる人もいます。
ただ、多くのガラス清掃を手掛けてきて思うことは、重度の汚れでない限り、中性洗剤(食器用洗剤)で十分です。重度の汚れというのは、ガラスの向こう側が見えないほど、汚れている場合です。
また、仮にシャンパー(ウォッシャー)で擦って落ちない汚れがあったとしても、ガラス用スクレイパー(3枚刃)で大概の汚れは、落とせます。(それでも落ちない場合は、メラミンスポンジで擦ります)
それと、なぜ、アルカリ性、酸性の洗剤を使わないのかには、理由があって、ガラス面というのは、太陽が当たったり、湿度が低いと、洗剤を使って汚れを浮かす作業時に瞬時に乾いてしまいます。
その場合、洗剤焼けや、拭きムラが出てしまう可能性があるからです。
※ジャンパー、スクイジーでの作業の話です。また、三枚刃、メラミンスポンジを使用する場合は、ガラス面の内側にフィルムが貼っていたり、ガラス面にコーティングが施されてる場合は、使用できません。
※中性洗剤(食器用洗剤)には、スクイジーの滑りを良くする効果もあります。
普通のオフィス等の定期清掃では、建物の美観の向上が重要視されがちです。
例えば、床洗浄であれば、床がピカッと光沢が出ていれば、それだけできれいに感じたりします。
それは、目で見たらすぐにわかるからです。
しかし、建物の内部清掃においては、衛生環境を整えるという意味での清掃も大切となります。
車で例えれば、外部のボディは、洗車してワックスをかければ、ピカッと光沢が出て、それだけで十分となりますが、車内のシートやハンドルまわりなどは、いわゆる美観(見た目のきれいさ)だけでなく、衛生環境(例えばホコリの除去や除菌、抗菌など)を考えた清掃となるわけです。
建物の定期清掃においても、居住空間である以上は、美観だけでなく、衛生環境を整えて、そこで生活する人々の健康を保つための清掃でもあるのです。
床や壁だけでなく、お皿を洗う時やお風呂の浴槽や、トイレの便器を洗う時にでも、汚れを効率的に落とすには、洗剤を使うと思います。
洗剤には、アルカリ性、酸性、中性とあるわけですが、どの洗剤を使うにしても、必ずやらなくてはならない事があります。
それは、洗ったあと、完全に洗剤成分が無くなるまで水で流すという事です。
特に、磁器タイルや石材など、水分を吸収する素材(中には吸収しないものもありますが)には、注意が必要で、洗剤成分が残留してしまうと、素材を痛めたり、シミが付いて落ちなくなる可能性があります。また、デザインや安全性的にも表面が凹凸になってるものが多く、機械での汚水回収でも残留しやすいですので、水で流す必要があります。
中でも、濃度の高い酸性洗剤を使う時には、洗う前に水養生する必要があります。(水養生しないと酸焼けしてしまいます)
また、Pタイルをアルカリ洗剤で洗う時にも、バキュームで汚水を回収したあとは、水拭きをしっかりして、成分を中和させてからワックスを塗る必要があります。
また、中性洗剤は、中和する必要はありませんが、泡が残りますので、これもまた、水でしっかり流す必要があります。
※写真は、福知山のオフィス玄関の洗浄です。
【掃除】とは、目に見える場所を掃いたり拭いたりして汚れを取り除くこと。
【清掃】とは、目に見える汚れを取り除くだけではなく、掃除をする過程で細部まで点検し、普段目に入らない部分の汚れやほこりも取り除き、さらに薬品などを使い部屋の隅々まできれいにすること。
言葉で言えば、自分の部屋を掃除するとは言いますが、自分の部屋を清掃するとは言わないですし、庭の掃除をするとは言いますが、庭の清掃をするとは言わないです。
掃除業者とは言わず、清掃業者と言ったり、掃除員とは言わず、清掃員と言います。
以上のことから、個人的な範囲の作業を掃除といい、規模が大きい作業を清掃というような感じがします。
また、掃除は【家事】であり、清掃は【仕事】と聞いたことがあります。
全くの同感で、私たちは、常日頃【清掃】をしております。