油汚れがきつい時に、水を使うのではなく、お湯を使ってアルカリ性洗剤を入れて汚れを落とそうとする人は多いと思います。
結論から言えば、洗剤類は一般的に洗浄温度が上昇するのに伴い、洗浄力がアップする傾向にあります。
そこで、温度が高ければ高いほど汚れが落ちるのではないか?と思って沸騰間近の熱湯を入れようと考えてしまいがちですが、これは間違いです。
理由は、洗剤に含まれている界面活性剤の曇点(界面活性剤が白く濁る温度)が最も洗浄効果が高まるとされているのですが、その温度は、だいたい60度前後だからです。
よって高ければ良いというものではないので、60度前後、冷めることを考慮しても70度ぐらいまでが適切だと思います。
床面に塗布するワックスで一番主流なのが樹脂ワックスだと思います。
その樹脂ワックスだけでも様々な特性があります。光沢性、耐久性、乾燥性から透明性、作業性、経済性、耐ヒールマーク性、摩耗性、防汚性、耐衝撃性、光沢維持性、造膜性まで挙げれば結構あります。
その中でも、大きく分ければ
学校の廊下、体育館などに使う樹脂ワックスと病院で使う樹脂ワックスについては、違うワックスを使っている業者さんも多いのではないでしょうか?
体育館やスポーツ施設の床材には、おもにウレタン樹脂塗装された木床が施工されています。その激しい運動を前提とした環境においては床面が【すべっても】【すべりにくくても】危険をともなうため、運動に最適なスリップ耐性を考慮し、施工されてます。
体育館用ワックスは、そのスリップ耐性を損なうことなく、安全な環境を保つよう設計されてます。また、水などで床が濡れた時にスリップしにくいワックスもあります。これは、介護施設などでも使用しても良いと思います。
また、病院に使用するワックスは、耐アルコール性ワックスを使用します。消毒液や薬品が床に溢れても他の樹脂ワックスと比べて白くなりにくいです。また、抗菌剤配合のものが多く、防カビ剤が入ってるものもあります。
あと少し特殊なもので、電算室や電気製品の量販店などで使用する帯電防止ワックスというのがあります。これは、室内にある電子機器に対して発生する静電気が原因の誤作動を防ぐというもので、塗布面の塵.ホコリの付着も防いだりします。
※【硬質床】
陶磁器質タイル、石、コンクリート、モルタルなどがあります。
【日常清掃の手順】
1.除塵
フロアダスター(ダストモップ)で丁寧に掃く、または、真空掃除機で丁寧に除塵する。
2.水拭
汚れや水滴が付着した部分がないかをチェックしながら、床全面をモップで丁寧に拭き上げる。
【定期清掃の手順】
1.椅子等軽微な什器の移動を行う。
2.床面の除塵を行う。
日常清掃と要領は同じ。
3.床面を水で十分に濡らす。
洗浄中の乾燥を防ぐため、また、汚れを浮きやすくするため
4.タンク付きポリッシャーで洗剤を適正希釈でタンクに入れ、洗浄用パッドまたはブラシを装着して汚れを洗浄する。
5.吸水用真空掃除機(バキューム)又は、床用スクイージで汚水を除去する。
6.水拭きモップで洗剤分を拭き取り、隅の汚れも拭き上げたあと送風機で十分に乾燥させる。
7.移動した什器を元の位置に戻す。
8.汚れが残っていないか最終のチェックをする。汚れが残っている場合は除去する。
※夏場や日当たりが良い場所は、特に乾燥しやすいため、ポリッシャーで洗浄したあとは、速やかにバキュームで汚水を除去する必要があります。
床を清掃する時には、清掃する前に什器移動となるわけですが、単純に什器移動と言っても、細かい注意点があります。
まず、移動する前に、什器が元の位置にしっかり復旧できるように写真あるいは、番号シールを貼る必要があります。
写真の場合は、元の位置に戻す時にすぐわかるように、なるべく位置がわかるアングルで写真を写す必要があります。
シールの場合も什器が置いてる向きがわかるように貼る必要があります。
この作業が終われば、移動となるわけですが、注意点があります。
床面には、イス、ゴミ箱、消化器、ダンボールなど様々なものが置いてありますが、それぞれの特性を考えての移動作業が必要です。
例えば、よくあるのが、床面に置いてあるゴミ箱をテーブルの上に置いたりする業者さんがいますが、弊社ではNGです。理由としては、ゴミ箱には、様々なゴミが入ってるあるいは、入っていたわけですから、そのゴミ箱をテーブルの上に置くというのは、衛生的によくないからです。また、イスに関してもテーブルの上にあげるのは、好ましくありません。衛生的にもですが、バランスを崩して落下した場合、破損、怪我の可能性があるからです。
消化器に関しては、移動の場合、レバー部には触れず底から持ち上げて、なるべく振動を与えない事が必要です。これは、消化器がなんらかのきっかけで噴出するリスクを減らすためです。
ダンボールに関しては、材質が紙であるため、元の位置に戻す場合、戻す場所の床面が完全に乾燥しているかどうかのチェックが必要です。少しでも湿気がある場合は、乾燥させてから戻す必要があります。
このように什器移動の場合は、動かす物の特性を考えて移動する必要があります。
※床材を美しく保つための3つのポイント
①汚れを持ち込ませないための予防
②汚れたらすぐ拭き取る 日常管理
③汚れから床材を保護する 定期管理
※汚れを持ち込ませないための予防
外部から土砂やホコリを持ち込まないように、例えば、入り口付近にマットを設置したり、靴を下履きから上履きに履き替えたりする必要があります。
※汚れたらすぐ拭き取る日常管理
使用頻度にもよりますが、毎日汚れたら、その都度、掃除機などで土砂やホコリの除去、落としにくい汚れは、固く絞ったモップなどで水拭きを行います。また、洗剤を使用する場合は、中性洗剤を使います。
※汚れから床材を保護する 定期管理
適切な洗剤を使用し、ポリッシャー等で床を洗浄、その後ワックスをかけて床材を保護します。(1〜3ヶ月に1回)
以上の内容を組み入れる事で、床材を長く美しく維持管理して行く事が私たちの仕事です。